孫悟飯〜主役になれなかった男 2004年1月15日


オッス!オラ、前回ではナメック星編について語るといいながら

全く別のことを語ってしまう嘘つきなギニャー隊長!

さて、今回は孫悟飯について考えてみよう。

もちろん初代孫悟飯の悟空のじいちゃんの方ではなく

悟空の息子の孫悟飯だ。

登場はアニメで言うZに入ってから、

ラディッツが来襲した時だ。

登場時は戦闘には無関係のボンボンであり

感情が高ぶった時だけに悟空をも凌ぐ高い潜在能力を

発揮するという設定だった。

バトルと無縁の子供が否応無しに戦闘に巻き込まれ、

ピッコロと悟空に鍛えられ、また様々なバトルを経験し

立派に成長していく。Z以降のドラゴンボールは

悟飯の成長物語といってもいいくらいだ。

ピッコロと絡めるという設定は実に上手かった。

戦闘が嫌いというのも悟空と対照的で実にいい。

これも鳥山マジック。

そして遂にセル編で悟空に主役をバトンタッチされた。

・・・はずだった。確かにその後しばらくは

グレートサイヤマンとかいう鳥山明だからこそ

笑って許されるような悟飯が完全主役の部分もあった。

しかし、結局のところは主役の座を悟空に

返上してしまうことになる。

それは、なぜだろう。

まず、悟空という存在を完全に殺せなかったこと。

これに尽きる。

いかに悟飯が窮地に追い込まれようと、読者の視点では

「まだ悟空がいる」という観点になってしまう。

悟空が五体満足で控えている以上

悟飯VS魔人ブウの頂上対決も無意識の内に

多くの読者は前哨戦として見ていたことだろう。

仮に悟飯が魔人ブウを倒したとしても

読者からしてみれば物足りなさが残る結果になってだけだ。

だからといってブウ編で先に悟空をブウにぶつけて、

かませ犬にしてしまえば、セル編の二番煎じになり

盛り上がりに欠けると共に悟空にヘタレなイメージが

付きまとう結果になる恐れすらある(ヤムチャみたく)

結局のところ、読者は悟空を待っていたのだ。

そして読者の期待通りブウ編の最後は

悟空が元気玉でブウを見事に倒し締めくくる。



悟空「サンキュー!ドラゴンボール!」



このセリフで私はドラゴンボールの連載終了を

直感した。そしてその通り、数週後にドラゴンボールは

連載を終了する。これはただの悟空のセリフというだけでなく

鳥山明がこの作品に対して込めた言葉だったのだろう。

と、話しが逸れてしまったが、その連載終了が決まってたからか

鳥山明も悟飯の扱いはもうどうでもよくなったようで

ベジータ風にされた目つきも最後まで元に戻して貰えなかった。

アニメのドラゴンボールGTでもその目つきは、そのままだった。

水面下で行われてた主人公争いに負けた男の姿がそこにあった。

悟飯はブウにではなく悟空に負けたのだ。

最後にこの一言を取り上げよう。ブウ編終盤でのベジータの一言。



ベジータ「がんばれカカロット、お前がナンバーワンだ!!」



この時、悟空は完全にドラゴンボールの主人公の座を取り戻した。

同時に悟飯は主役の座を完全に失った。

私、ギニャー隊長はそう確信する。



ドラゴンボールのピーク 2004年1月15日


ドラゴンボールのピークはいつだっただろう。

恐らく大部分のドラゴンボールファンは

ベジータ&ナッパ来襲の時と答えるだろう

俺もその通りだと思う。

ならば、なぜそこがピークだったか、と考えると

考えをまとめる時間が必要かも知れない。

事はそんなに簡単ではないからだ。

サイヤ人(ナッパ&ベジータ)来襲編では

まず、ヤムチャが死ぬ。

これは俺の中では結構なトラウマだ。白目だったし。

天津飯にやられた時のヤムチャもそう(白目)だったように。

昔は準準主役のポジションにいた男があっさりと殺られる理不尽さ。

同号のジャンプでジョセフ・ジョースターが生還した

喜びも消し去られてしまったくらいだ。

ここで俺は思った「鳥山明は本気だ」と。

それと同時に戦慄を覚えた。

続いて餃子(チャオズ)が死ぬ(自爆)。

こいつはどうでもいい。いつもこんな感じだし。

むしろ、その前に天津飯の腕がナッパに

ブッタ斬られたことの方が衝撃的でもあり、

これまたトラウマでもある。

サイヤ人来襲編はこういう衝撃の連続であり

それがカタルシスとして蓄積されていく

その中でのクリリンの奮闘ぶりは見事で

気円斬を繰り出した時なんてもうシビれまくり。

(ちなみにこの週はアニメドラゴンボールZが始まった週だ)

しかしそれでも死んでいく仲間、仲間、仲間。

そしてピッコロが死んだ直後に悟空登場。

ピッコロと共に神様も消滅したので仲間は

もう生き返らない。このやるせなさの中で

怒った悟空がナッパをボコボコにする。

もうこの時点で最高の域。

ナッパをボコるシーンなんていつもの週の倍は読み返した。

そしてベジータとの(この時点での)頂上対決

しかも巻頭カラー。もうテンション最皇潮。

カラーで存分に力の差を見せつけるベジータ。

体をボロボロにしながらも界王拳で立ち向かう悟空。

界王拳三倍、四倍かめはめ波。ベジータ大猿化。

クリリン、悟飯、ヤジロベー参戦。二転三転する展開。

何とクリリンが悟空の変わりに元気玉を撃つ。

なんだかんだでこの頃のドラゴンボールは

クリリンが活躍する時が一番面白い。

これはスラムダンクで三井が活躍する時が一番面白いと

いうのに似ている(俺的に)

そして止めを刺す寸前のところでベジータは逃げる。

そして始まる新たなる戦い。もう完璧としか言いようがない。

もう異常といってもいい程の盛り上げ方だ。

仙豆がまだ残ってた、ピッコロ(&神様)が生きてた、では

この盛り上がりは成立しない。まさに鳥山マジック。

この頃のドラゴンボールは輝きに満ちていた。

そしてナメック星編にもその期待は大いにあった。

それが、どのような方向に向かっていったのかは次回で話くそう。




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